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___もういやだ、もういいや____
暗がりの道を、力のない街灯がポツポツ照らす。
健太は家に帰ることを躊躇するようになっていた。
あてもなく歩いては座れそうな場所を見つけて腰を落とし、
何をするでもなく息をつく。
初めて感じたのは苛立ちだった。
そして戸惑い、恐怖に変わり、胸を刺す痛みを繰り返し与えられた。
それでも尚続いてくると、惨めに感じるようになる。
____なんで自分が、こんな目にあわなきゃいけないんだ____
強く瞑った瞼の中で、1人の少年が立っていた。見覚えがあった。
そうか、お前か____お前が_____
許しを乞う。____俺が悪かった、俺がバカだった_____
言い訳をする。____でも俺だけじゃない、あいつも一緒だった_____
誓いを立てる。____もう二度とこんなことしない、だから______
強く瞑った目を開ける。目頭が熱い。
目の前には、確かに誰か立っている。滲んで見えない_____
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