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女の身体の匂いも
女の陰の溜め息も
直隆には全てが初めてだった。
憧れ続けた女の神秘が
萎えることなく直隆を
高揚させていた。
おそらくは大介と覚えた
であろうと嫉妬させられる
直隆の “知らぬ絢” に
翻弄され続けた。
あるときは聖母の手解き・・・
あるときには娼婦の淫行・・・
高波に溺れる直隆が
深く嵌まれば嵌まるほど
悦楽は独占欲を沸騰させる。
頭から絢がなくなることは
一秒たりともなくなって・・・
二人を巡る友人も、信用も
全て無くしても絢だけを獲たいと
直隆は思い詰めるまでになっていた。
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