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孤独になりそうなときには
酒を覚えて・・・
コンパに集まる女を覚えて
水商売の女を覚えて・・・
無心で勉強して・・・
月日が流れた。
司法試験に受かり
伯父の事務所に弁護士として
席をおいて、三十になる春、
ようやく周囲の薦める結婚にも
耳を傾けようとしていた今だった、
絢との皮肉な再会・・・。
二人は東京に戻っていたのだ。
しかも大介は瀕死の重症で
入院している。
直隆が顧問を務める会社の重役が
自動車事故で怪我を
負わせた相手が大介、
補償金などの交渉に訪ねた病室で
三つになる子供と
絢は細い肩を
不安げに震わせていた。
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