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ヨン…じゃなくてテファンは雑用から荒事までこなす何でも屋をしている。
彼の仕事を否定はしないけど危ない事はしないでほしいのが本音だ。
年齢のわりには落ち着いてるのは見た目のせいで苦労したからだろうか…
人間は高値で売買され獣性の低い彼は人間に間違われやすく攫われたこともあると本人が言ってたし
最近、仕事が忙しいらしく会えないことが続いた夜の日付が変わるころの電話で
「遅い時間にゴメンな?何か声がききたくなってさ、ヒョンジュの顔を見れば1日の疲れもとれるのになーって。」元気のない声が心配になり
「顔が見たければ会いに来ればいい。狭くてもよければ一緒に眠ろう」
「……それは今から会いに行ってもいいという誘いか?」
「俺もテファンの顔が見たいし会いに来てくれたら嬉しい。」
こう言えば彼が会いに来るのが分かってて言うのはズルいのだろうか。
「今から行く、……俺も会えるのは嬉しい」
最後の言葉は照れたような小声であったけど聞きとれた。
仕事終わりだろうか?
風呂の用意はしておけばいいし、他に何か用意するものは…
しばらくすると玄関の呼び鈴がなったので扉を開けて
いつもなら『いらっしゃい』と言ってたのを
「おかえり。」と俺が言えば少し驚いた表情をして
「……ただいま。」と彼が目を細めてふわりと笑って返事をした。
了
※次回は別主人公になります。
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