ウワサのイケメン

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高校の入学式。 私の学力では難しいと言われたのだけれど 本番に強いのが幸いしたのか、合格してバスと電車を乗り継いでの通学がはじまった。 まだ開校して10年ちょっとの学校で校舎もきれい。 真新しい上履きを履いて案内された自分のクラスの教室にはいる。 私の家から少し遠いこともあってこの学校に入った子も少なくて同じクラスには同じ中学の子がいなかった。 あー、完全にアウェイな感じ・・・・ 教室の中では中学が同じだったと思われる子たちがいくつかのグループをすでにつくっていた。 私は親が転勤族だったこともあり、アウェイなところにはいっていくのには慣れている。 まだ新学期なだけにどのグループだったら楽か様子見るかなー なんて思いながら自分の席を探していた。 「ねぇねぇ、どこ中出身?」 教室の入り口に近くいいたグループの中心にいた子に声をかけられた。 「K中だけど。」 「ふぅ~ん、遠いね。誰か知ってる子クラスにいた?」 「たぶんいないと思うけど・・・・」 「そっか。私、宮脇茜。あかねって呼んで。何て名前?」 「藤田麻里奈。 まりなでいいよ。」 「まりなちゃん、なんかちゃんづけのほうがイメージにあってるから、まりなちゃんにしよ♪荷物置いた?こっちきて!」 こっちの顔色もみないでどんどんしゃべる子だなぁと思いながらも特にいやな感じもしなかったので5人ぐらいのグループのところについていった。 「みんな、K中のまりなちゃん。このクラスにK中いてへんらしいし、まりなちゃんも一緒でいいよね!」 「「うん、いーよ!」」 「私ら、みんなN中やねん。学校から近いし、このクラスもたぶん多いと思うわー」 あかねちゃんが説明してくれた。やっぱり普通はそこそこの学力のところならより近いほうがいい人多いよね・・・ 私の家はイナカすぎてどこにいくのもけっこう時間がかかるので行きたいところがいいとちょっと遠いけれどこの学校にしたのだった。 そこにいた子みんな名前を言ってくれたけど、一気に覚えられない(笑) 下の名前くらいはなんとか聞き取れた。 あきこ(あっこちゃん)みどりちゃん、よしえ(よっちゃん)みやちゃん。 とりあえずは仲良くなれそうでほっとした。 いろいろ質問攻めにされているときだった。 きゃあきゃあと騒ぐ女の子の声が教室の前で止まった。 「えー、ナオくん、A組なんだ!」 「いいなー、おんなじクラスの子!」 なになに?? 入り口のほうに目をやるととんでもないイケメンくんがいた。 「「えっ、にっしー、おんなじクラス?」」 同じグループの子が声をそろえて言った。 あかねちゃんがすかさず私に教えてくれた。 「すごいイケメンやろ??西川尚。中学でもファンクラブあったくらいやねん。」 少し背は低いけれど、ジャニーズのトシちゃんやマッチよりもはるかにイケメンだった。 そのときはわぁ、かっこいいなとしか思わなかった。
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