ドキドキの連続

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タカがいきなりなつかしいあの日に飛びまくって内野の店の人に怒られた曲が最初にかかった。 全員それに気づいて大ウケした。 タカはこういうところサービス精神旺盛だ。 だから俺はこいつが好きなんだ。 次のイントロを聞いてすぐに彼女が歌うのだとわかった。 「フレンズ」 ああ、文化祭で歌ってたな・・・ 奥田さんとつきあうことになって学校中が大騒ぎになったっけ。 なつかしいなぁと歌う彼女をみると画面の方を向いて歌っていて顔がみれなかった。 アッコも歌ってタカが彼女にまたマイクを渡していた。 おお、ドリカム。彼女はうまいから・・・ またタカがこんどはラップを歌ってイマイチウケなくてガックリしてた(笑) 彼女がいう30分はもうすぐで最後に何をタカが入れたのかと思ったら松田聖子をモノマネでとお願いしている(笑) 彼女は言われたとおりにモノマネモードで「あなたに逢いたくて」を歌っている。似てる(笑)でやっぱり画面のほうを向いていて彼女の顔がみえない。わざとあっちを向いてるようにしか思えないんやけど・・・ ふと、選曲のせいかもしれないと思った。 だけど・・・この選曲、タカ、お前は何か気づいてるんか??? ただの偶然だと信じることにした。 って次俺やん。 彼女は時間になっていたけれど俺の歌を聞いてから帰ると言っている。 前奏が流れた瞬間に彼女の驚く顔がチラリとみえた。 やばい・・・今彼女の顔をみては歌えない。 ああ、彼女もそうだったのかもと思いながら画面を見ながら歌った。 あっこがうれしそうにみている。 「うわー♡ こんなふうに言われたら女子はやばいよね。」 彼女はあっこに話をふられてそうだねと言っている。 曲が終わると次のあっこの曲のイントロが流れるまでにみんなに向かって先に帰るね、またねと言って俺にもじゃあまたといってそそくさと出て行った。 気づかれたかな・・・気づいたよな・・・・ 俺の気持ちに気づいて二人になってはダメだと思って逃げて帰ってしまうんじゃないかと気が気でなかった。 俺はもう1曲いれていたのでそれが終わったら出ると言おうと思った。 あっこもタカもまた彼女を誘ってカラオケにいこう、もっと歌ってもわらないとと言っていた(笑) 携帯にメールが着信した。 電話がかかってきたふりをして部屋を出てメールを確認すると彼女からだった。 「N駅側に一筋超えたところのMドラッグにはいりました。ここで化粧品みたりして時間つぶせるから急がなくていいよ」 それをみてホッとした。 そのまま帰ってしまうかもしれないと思っていたから。 いや、会えるまではわからない。気が変わってしまうかもしれない。 急いで部屋に戻るとアッコが歌っていたのでタカに声をかけた。 『悪い、明日の件でちょっと修正しないといけない書類がでたから次歌ったらホテルに戻るわ。』 「おっ、それは大変やな。次ってどれ?」 いれた曲は2曲後だったのでそれを指さす。 『これ。そんなに慌てなくていいからせっかくやし歌ってからにするわ。』 あんまりはやくに出て怪しまれてもいけないしと逸る気持ちを抑えて今度はノリのいい曲にしていたので歌ってからみんなに声をかけてまたこっちに来るときには飲もうと言って店を出た。
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