4.LA観光

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__翌日 前夜、記念パーティーが行われた会場で、簡単に朝食を済ませると、忍は尊の部屋の扉を軽くノックした。 昨日の夜、佳乃との通話を終えた後、日本(向こう)での片は着いたのかとメッセージを入れたのだが、返信がなかったのだ。 もしや、やはり抗争が勃発してしまっていたので、既にを出て忙しなくしているのだろうか。 だがそんな忍の内心とは裏腹に、扉は存外早く開けられた。 「おはよう、兄貴」 そう、にかりといつもの人懐こい笑みを見せた尊に、忍は安堵しつつも、「マジックミラーでちゃんと確認してから開けろ」と彼の額を拳で軽く小突く。 「ごめんごめん。 だって昨日、兄貴にメッセージ返さずに寝ちゃったからさ」 部屋の奥へと進みながら、尊は困ったようにはにかんで、こちらを振り返り弁解した。 そして、 「大丈夫だよ。 抗争とか物騒なことは起こってなかった」 完全に、こちらが危惧していたことを読まれていたようだ。 「…………__」 一瞬にして、先程とはうってかわり真剣な面持ちに切り替わった彼に、暫し微かな驚きを覚え、呆気にとられていた忍だったが、気付けば軽く笑みを溢していた。 「ふ……」 _さすが…… だが当然、尊が己の微笑の訳を知るはずもなく、彼としては突然、珍しく笑みを見せた忍に戸惑いを隠せないようで、その間ずっと、「え?え?」と疑問符を繰り返していたが。
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