round 4×「手を取り合い」

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 ま、眩しい。ここはどこだ?   私はカメだ。佐藤カメ子。 それは分かる。どこだ? 「良かった、偽物の葉っぱは口から取れたよ」  目を開けると私は硬い台の上に居た。どうやら一命を取り留めらしい。  白衣を着た男がニコニコしている。    その向こうに3兄弟が立っている。 「カメ子、良かったぁ。良かったよぉ」サブローが涙ぐみ、 「良かったぁ! カメ子ぉ!」ジローが大きい声を出し、 「あんなの食べたらダメだからな」ハジメが私の甲羅を押した。  3人は良く似た顔で、目にはうっすらと涙を浮かべている。  私はペットショップで大黒柱に気に入られ、初めて佐藤家に来た時を思い出した。 『このカメは3人のカメだから。喧嘩せずに3人で世話をしなさい』 大黒柱は3兄弟にそう言って、私に今の城を準備してくれた。 『まず名前だっ! 名前を決めようっ!』 いつものようにジローが大声を上げた。 『そうだな、名前だな』ハジメが言った。 『みんなで考えようよ。僕も考える〜』 3人はしばらく考えて、一斉に口を開いた。 『カメ子、はどう?』 『カメ子だっ!』 『カメ子にしようか』 3兄弟は手を取り合い、目を輝かせた。私の名前はその日からカメ子になったーーー。    弟の3人はいつもくだらない取り合いばかりしている。そんな3人をバカに出来ないほど、私はミスを犯し、うっかり死にかけてしまった。みんなは私をバカにせず、手を取り合って助けてくれた。  私は佐藤カメ子。自慢の名前だ。 「私はその佐藤家の一員で幸せだ」  やっぱりカメ語は家族に伝えることは出来ない。  残念、無念。ドンマイ、自分。
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