凡人の絵画

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凡人の絵画

  日々無難に積み上げてきた階段を   悪戯に踏み外して転げ落ちた   クルクルと廻る平均的人間の   夢はどっかで花開くだろうか   ありふれた詞にありふれた音さ   特別なものは何一つないけど   自分らしい出来栄えにニタリと不敵な笑み   可能性なんて信じちゃいない   今をどうにもできないくせに   明日をちゃんと信じられるか   不可能を可能にするのが目的なのだ   宵に翔んだペルセウスに人の道でも聞いてみようか   ありふれた形にありふれた色さ   キミを揺らす彩りなんて一個もないけど   それでちょうど俺の等身大なんだよ   そして抱きとめる手の温もりに偽りはない   今はまだ凡人の絵画で充分なのだ
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