4.とりあえず、ひとまず。

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4.とりあえず、ひとまず。

 とりあえず往来で謎の鳥と会話するのは、妙な目で見られる可能性がある。  ひとまず人目に付かないところを探したら、警察署の裏側あたりが丁度良かった。ここに人影が無いって駄目だろうとは思ったが、それが丁度良かったから仕方ない。  マンションの下あたりに丁度良くベンチがあったので、姉妹をそこに座らせる。  帰っても良かったかもしれないのに、何故か二人は着いてきたんだ。  いや、目の前で鳥が会話を始めたんだから、ここで去ると気になって眠れなくなるかもだもんな。  おさげの子の方が携帯電話を取り出して、鳥の方へと差し向けた。  珍しい光景だし、動画でも撮影するのか。オレ様の問いに、おさげちゃんは首を左右に振った。 「どういう事かよく分かりませんけど、ケータイ向けておけば他人に見られても大丈夫かと」  これなら知らない人が見ても、新型の機械だとかオモチャだとか思われて済むという考えだった。  しっかりしている上に、機転の利く素晴らしいおさげだと思った。 「お主は変わらず聡いの、平尾わかば」  謎の鳥の一言に、平尾わかばと呼ばれたおさげちゃんが大きな瞳を丸くした。 「な、なんで、あたしの名前を⁉」  どうやら、おさげちゃんの名前は、平尾わかばちゃんというらしい。名前の通り、若々しくて元気そうなイメージの女の子だって思った。 「それは私が主らが一緒に生まれた時から見守っておるからの。平尾はなふさと一緒に」  謎の鳥がショートボブちゃんの方を向くと、あっちもわかばちゃんと同じ表情になった。 「わ、わたしの名前も……」  ショートボブちゃんは、平尾はなふさちゃんって名前なのか。確かに名前の通り、華憐で儚げな感じが可愛らしい子だ。
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