6人が本棚に入れています
本棚に追加
「さて、青葉田国往。これで分かっただろう」
謎の鳥がオレ様の方を向いて、自信ありげな声を挙げた。
「私は神だ」
「んな馬鹿な」
思ったことを口に出してしまう性格が災いしたか。オレ様の言葉と同時に、謎の鳥が眉間にクチバシを突き立てた。
痛みはデコピン程度のものだったが、後わずか数センチずれていたら眼だったと思うとぞっとする。
「貴様が今こうして、五体満足で居られるのは誰のお陰だと思っている」
「そりゃ産んだママンだろ」
謎の鳥がまくし立てるように言うから、オレ様は何の意図かを良く分からず返してしまった。
再び眉間に衝撃が走り、今度は額を抱えてうずくまってしまった。
「そういう話をしているのではない!」
「……ま、まさか、その……昨日の事故で」
ショートボブちゃんこと、はなふさちゃんが青い顔で立ち上がる。
無い胸を両手で抱える仕草が、女の子らしくて可愛いなとか思ってしまう。
「ああ、こやつを治したのは私だ」
二人が血の気の引いたような表情になったのを見て、何故そんな顔つきになるのかを理解出来なかった。
というか、あんまし話を聞いていなかった。
可愛いおさげちゃんの方が平尾わかばちゃんで、可愛いショートボブちゃんが平尾はなふさちゃんだっけか。
「こうして助かったのは、私の神力のお陰だが。その代わり……」
謎の鳥はさておいて、この二人は姉妹なのだろうか。同じくらいの身長だし、顔も似ている感じがする。
わかばちゃんの方が瞳が大きくハッキリしていて、はなふさちゃんの方がどこか潤んだ目をしている。何となく対照的な姉妹だって思った。
「聞いておるのか、貴様!」
その言葉に顔を上げると、謎の鳥が突っ込んできそうになったから、眉間を抑えた。
「ああ、聞いてるって。こっちがわかばちゃんで、こっちがはなふさちゃんでしょ?」
謎の鳥は眉間を抑えた左手の甲にクチバシを突き立てたから、今度は地味に痛かった。
最初のコメントを投稿しよう!