義理の兄に恋をした

2/9
前へ
/9ページ
次へ
「ただいまー!」 「りょうちゃん、おかえ……り」  ひまりは嬉しそうに学校から帰ってきた義兄の涼太を出迎えた。  しかし、すぐに顔を曇らせる。 「誰?」  ひまりは後ろにいた女子高生を見て戸惑っていた。  涼太と同じ高校の制服を着ていた。  ひまりよりもずっと大人っぽくて色気がある。 「ひまり、紹介するよ。俺の彼女の早希」 「はじめましてー。早希でーす。妹さん、涼太が言ってた通り可愛いね」 「だろ? 俺の自慢のだから」  ひまりはその言葉を聞いて胸が締め付けられる。 「へー……彼女なんだ。いつから付き合ってるの?」  質問したひまりの声のトーンは、かなり下がっていた。 「1週間前かな」 「そうそう、私から告ったんだよねー」  ——なんでこの子なの?  2人が玄関で楽しそうに会話する様子に、ひまりは我慢できなくなった。 「勝手に彼女なんて連れてこないでよね。小テスト近いのに……うるさくて勉強できないじゃない!」  ひまりはそう言い捨て、階段を駆け上がった。 「ひまり!」  涼太は慌てて呼び止めようとしたが、ひまりは大きな音を立てて自分の部屋の扉を閉めた。 「悪いな……」 「気にしないで。家に行きたいって言ったのは私だし。今日は親がいないっていうから、つい」  早希は意味ありげな笑みを浮かべる。 「まあ、静かにしてれば大丈夫だと思う。部屋に行こ」 「うん」  早希は涼太の腕に寄り添い、大きな胸を押し当てた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加