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「お邪魔しましたー!」
2時間ほどが経った頃、早希の声が聞こえた。
——やっと帰った……。
ベッドでずっと泣き続けていたひまりは、ホッと息をつく。
しばらくして、部屋の扉をノックする音が。
『——ひまり? ごはん用意するけど、もう食べられるか?』
「……うん」
ひまりは起き上がり、涙を拭きながら答えた。
『じゃあ、30分後くらいには下に来いよー』
涼太はそう言うと、階段を降りていった。
ひまりは鏡の前に立ち、自分の顔を覗き込む。
——ひどい顔。泣いたのバレるかな……。でも、いいや。りょうちゃんが傷つけたんだもん。
ひまりは洗面台で顔を洗った後、ダイニングルームへ向かった。
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