14人が本棚に入れています
本棚に追加
ダイニングルーム。
ひまりの顔を見た涼太は驚いてひまりに駆け寄る。
「ひまり! どうした!? 何か学校であったのか? さっき様子がおかしかったし……」
「もう、過保護。そんなに心配なら、彼女なんて連れてこないでよ!」
ひまりは目を触ろうとしていた涼太の手を振り払った。
涼太は動揺する。
「どうしたんだ?」
「パパもママもいないからって、隣の部屋でいやらしいことしないでよ! りょうちゃん不潔だよ!」
「……ごめん」
涼太はひどく傷ついた表情を浮かべる。
ひまりは怒りが収まらず、荒々しく椅子に座った。
その後、涼太は無言のままサラダとカレーをテーブルに置いた。
食欲のないひまりだったが、ずっと傷ついた表情をしていた涼太が可哀想になり、仕方なく食べ始める。
涼太はずっと仏頂面のひまりをチラチラ見ていた。
「りょうちゃん、なんで彼女作ったの?」
「え……告白されたから」
「好きなの?」
「わからない……」
ひまりの怒りは再び上昇する。
「は? 好きでもない人といやらしいことするんだ! 不潔だよ!」
「違うんだ! 早希が無理やりしてきたから……」
ひまりはショックを受け、涙をぽろぽろとこぼす。
「そんなの聞きたくない!」
「ひまり……」
涼太は慌てて立ち上がり、ひまりを抱きしめる。
「触らないで!」
ひまりは涼太を突き放す。
「ごめん……」
「なんで謝ってばかりなの? 謝るくらいなら、私をりょうちゃんの彼女にしてよ!」
「ひまり……?」
「私はりょうちゃんのこと兄だって思ったことないもん! ずっと好きだった! りょうちゃんの隣にいていいのは、私だけだもん!」
ひまりは泣きながら涼太に告白した。
最初のコメントを投稿しよう!