【序章】

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【序章】

【序章】 人種差別というものは、どの世界にもある。 それを終わらせるか、続けるのかはそこに住む者次第。 とある廃れた世界、柳国。 この国の都賀では、人種差別が広がっていた。 肌の色が白い百族、肌の色が黒い里族。 百族は昔、里族を召使いのように扱っていた。 それはいつしか、使い制度と呼ばれるようになった。 その昔、『たまゆら』という人がいた。その人は里族で、人種差別に苦しんでいた。 里族の人々が日々の生活を諦めている中、たまゆらだけは諦めず人々に訴えた。 『夢を持て、夢を持てばいつか必ず報われる』…と。 やがて、その行動が実を結び官僚たちの心を動かした。 使い制度が撤廃されたのだ。それから、たまゆらは柳国の伝説と言われる人物として人々の英雄となった。 しかし、その使い制度がなくなって10年。差別だけは無くならなかった。
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