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1熱視線
「ふわ?眠い」
彼は起きてスマホをチェックした。休日の今日。天気でも見ようと思っていた。
「ん?これは」
そこには事務所からのメールで、アイドル赤星の番組の出演依頼があった。これは彼の練習を観に来る話なので彼は承諾した。そんな彼はシャワーを浴びた。久しぶりに完全オフの日だった。
ラグビー界のオシャレ番長を張る彼はビシとブランド品の服を着て、高級車で出かけていた。この日は依頼していたオーダーメイドの服ができる日であった。
行きつけの洋品店でこれを受け取った彼は、癒しのひと時のためにお気に入りのカフェにやってきた。
「いらっしゃいませ」
「うっす」
「奥へどうぞ」
店のママさんは彼のためにカウンターの奥を進めた。彼はママさんの淹れたサイフォン式のコーヒーが好きなのをママさんは知っていた。
「本日は何になさいますか?」
「マンデリンで」
「はい」
他の客がいない店内。コポコポとコーヒーの音と香が漂うカフェには静寂が訪れていた。
……静かだ。いいな。
普段熱い思いで戦う彼。しかし元来は優しい彼は、ここで本当の自分に戻り安かな気分に浸っていた。
目の前のコーヒー豆はお湯の中でふわふわと踊っていた。カフェのママさんの熟練の技に彼は魅了されていた。
そこに客がやってきた。
「いらっしゃいませ」
「どうも」
「あ。ミイさん」
「あーあ。疲れた……いつもの!」
「はい」
……おいおい……なってこった。
カウンターに座ったのは、彼の部屋の掃除をしてくれているミイだった。
……マジかよ。つうか、いつものって。
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