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プロローグ
「ええと、この部屋か」
作業着姿の彼女はそう呟くと掃除道具を床に置きチャイムを鳴らした。
「すいません。ハウスキーパーの夏目すみれです……」
シーンとしたままの返事に安心した彼女は預かっていた鍵でそっとドアを開けた。
「失礼します……うわ?何これ?」
薄暗い玄関にあった物をグニャと踏んでしまったすみれはあわててこれを確認した。
「これは……靴?人のサイズなの?……」
こんな大きな靴を見た事がなかったすみれは、ドキドキのまま主人が留守の部屋に足を踏み入れたのだった。
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