恋巡る異能祭

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『ケイ、諦めてしまうのか?』 『……あれ? ミナト……くん? なんで?』  ここは、私の妄想の中? だってミナトくんがここまでフレンドリーに話しかけてくれるわけないし、ミナトくんと私だけってシュチュエーションがありえない。 『ケイの力は無限の力じゃないのか?』 『そのはずなのにね。情けないや、私の恋って所詮(しょせん)。この程度みたい』 『そんなことない』 『ううん。ダメなの。私はずっとこの能力を(あやつ)れてない。そもそも、コントロールが不可能な力。私一人じゃ、無理なんだよ』 『一人じゃねぇよ』  そう言ってミナトくんは私の手を握ってくれた。でも、なんだろう? これは、本当にミナトくんなんだろうか? 口調も違うし、見た目は本人だけど表情は違うような。  でも、その握られた手から力が()いてくる。そうだ、これが私の能力。乙女の恋の力。 『いくぞ、ケイ』
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