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「え? うん。」
何、知ってること言いだすんだろう……。
「お前は?」
桜也は自分の隣に座っていた男子に話しかけた。
「俺? E組だけど。」
そっちは? と桜也は次々にメンバーに声をかける。
「偶然だけどスゲー。ここがA組じゃん?」
桜也が私を指さす。
「で、B組。」
と、私の隣の女子を指さす。
「でもって、C組。」
さらに隣の女子を指さす。
「そんで向かいがD組で、お前がE組、俺F組。
綺麗に並んだねー。しかもこっちは男子3人、そっちは女子3人。
バランスもいいねー。」
発見!って感じてそんなことを言う桜也に、他のメンバーがクスクス笑う。
「バカじゃねー。」
E組くんが、そう言いながらやっぱり笑う。
1年生メンバーの緊張が解けた。
「ま、よろしく。」
桜也はニヤッと笑った。
桜也って……すごいなぁ……。
ガラッ。
背中の方からドアが開く音が聞こえ、私は内心ドキッとする。
「全員集まってるようですね。」
穏やかな声が聞こえる。
聞き間違えるはずもない。
蒼兄の声だ。
私はそっと体を半回転させて、蒼兄の方を向いた。
蒼兄はゆっくりと全体を見渡し、私の頭上に視線を向けたところで一瞬唖然とした表情を見せる。
その直後に私と視線を合わせ、これまた驚いたような顔をしてからニコッと笑った。
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