問2.一歩踏み出すためには?

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「十分だよ。1年生の間も接点持てる。」 「おまえさぁ……。」 桜也は呆れ顔だ。 「もっと欲張ってもいいんじゃないの?」 「そんなことないでしょ。 私、かなり満足。 それに、さっき言った通り、桜也の彼女役をする私のメリット、あるわけだし。」 「……変わりたい……を叶えること?」 「そうそう。」 桜也は腕組みをして、うーんと首を捻った。 ……何を悩んでるのかな? 「明日かあさって、菜々、時間取れる?」 顔をこっちに向けて、桜也が聞いてくる。 明日は土曜日。この週末は何も予定がない。 ……というか、予定がある週末の方が、私にとっては珍しい。 「取れると思うけど、何?」 「んー。あとで連絡するわ。」 桜也はその場では、何も教えてくれなかった。 「あ! 連絡するためには……。」 桜也はちょっと気まずそうな表情をしながら、スマホを取り出す。 「連絡先、教えてくんない?」 「そっか、私達、そんなことも知らないんだ。 長い付き合いなのにね。」 私も自分のスマホを取り出しながら、クスクスと笑った。 そして操作をしながら話を続ける。 「……まぁ、そうは言っても、私のスマホの連絡先に登録されてるのって、家族と学校くらいで、友達の登録は初めてだけど。」 「えっ?」 桜也がギョッとしたような顔をする。 「さっき言ったでしょ? 私、友達いなかったって。 ……スマホ持ったのは、中学の卒業式直前だったんだけど、かと言って、卒業式の時に連絡先交換するあてもなかったし。」
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