問2.一歩踏み出すためには?

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             * 桜也からの連絡は翌朝だった。 「今日の夕方5時半に、菜々んちに迎えに行っていい?」 私は桜也からのメッセージをじっと見つめる。 夕方からどこに行くんだろう……。 そんな時間から出かけたことないから、戸惑う。 とりあえず、私はスマホ片手に2階の自分の部屋を出て、1階のリビングに向かった。 「ねぇ、お母さーん。」 「あ、菜々、おはよう。」 お母さんはソファに座っていた。 「あ、おはよう。あのね、今日の夕方、桜也と出かけてきていい?」 「桜也くんと? どこに?」 当然聞かれるようねー。 私も桜也にどこに?と聞いたんだけど、会ってから説明するよ、徒歩圏内だから、としか教えてもらえてなかった。 「聞いたんだけど、内緒らしい。」 行き先が分からないならダメだとお母さんに言われれば、そう桜也に説明するつもりだった。 「桜也くんとなら、いいんじゃない?」 ところがお母さんはあっさりそんなことを言うもんだから驚く。 まぁ、赤ん坊の時から知ってる桜也だもんね。そんなものなのかな。 そして、桜也は、夕方5時半ぴったりにうちのインターホンを鳴らした。 「あ、おばさん、こんにちは。」 桜也がお母さんに屈託ない笑顔で挨拶しているのを聞きながら、私はスニーカーを履いた。 「あ、菜々、悪いな。こんな夕方から。」 「よくわかんないけど、別にいいよ。」 外に出て桜也の姿を見て、私は固まる。 いや、お互い固まった。
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