問1.好きな人のことを知るためには?

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               * あのあと、桜也に強引に駅前のファミレスに連れてこられた。 桜也が二人分のドリンクバーを頼んで、私の前に桜也が勝手に入れてきたカルピスソーダが置かれてる。 「何飲むとか聞かないで……。」 私はこんな事態になっているのがすごく不本意だ。 「え? お前、子どもん時からカルピスソーダ、好きだったじゃん。 それとも好み、変わった?」 桜也に聞かれて、私はふいっと顔を背ける。 「変わってないよ。いいよ。カルピスソーダで。」 グラスを手に取り、黄色のストローで甘酸っぱくてシュワシュワする液体を味わった。 「でさ、さっきのことなんだけど。」 桜也が言いかけたところで、私は遮る。 「却下に決まってるでしょ。何言いだしてるの。」 私の聞き間違いじゃなければ、桜也は私に彼女役をしろと言った。 冗談じゃない。 何が悲しくて、好きでも何でもない幼馴染の彼女役なんかしないといけないんだ。 しかも、本当に好きな人の弟だというのに。 「話くらい聞けよ。」 「聞くまでもないでしょ。 それに、私よりも適任な人だっているだろうし、それより何より本当の彼女作ればいいじゃない。」 桜也はモテる。 中学から背がぐんぐん伸びて、今や180センチに到達してるんじゃないか。 バスケ部でも中心的なメンバーとして活躍していた。 顔立ちも整ってる。 不本意だけど、蒼兄に似てなくもない。……いや、かなり似ている。 優し気な雰囲気だし、明るくて、いつも桜也の周りには、人が集まってて。 そんな人がモテないはずはない。 中学の頃、女子たちにキャーキャー騒がれていたのを知っている。 彼女がいたって話は、聞いたことはないけど、いたことがあっても不思議じゃない。 「さっきだって、あのシチュエーションと私に会った時の反応から察するに、告られてたとかじゃないの?」 そう重ねた私の言葉に、桜也がビクッとする。 ……図星なんだろうな。 「はぁ……。」 桜也は大きくため息をついて俯いた。 そのまましばらく動かない。 私はとりあえず、言いたいことを言えたし、黙って桜也を見守った。
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