問1.好きな人のことを知るためには?

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「……確かに告られてましたよ、さっき。」 ゆっくりと桜也が顔を起こし、私の目を捉える。 「でもさ、好きでもない子に告られたって、何の意味もない。」 桜也の目の力が強くて、目を逸らせない。 「俺は誰とも付き合う気はないから、告白なんかされても正直……迷惑。」 「いや、でもさ、もしかしたら、告白してくれた子の中には、好きになれるようないい子もいるかもしれないよ?」 桜也の不機嫌そうな顔にちょっと怯む気持ちを抱えながらも、そんなことも言ってみる。 桜也はますます眉根を寄せて、不機嫌そうだ。 「お前さぁ……。誰かに告られたら、いい人かもしれないから、とりあえず付き合ってみようとかするの?」 「……私が?」 桜也にじっと見つめられて、居心地が悪い。 「そんなことするわけないこと、桜也だって、わかってるくせに。」 最後は小声になってしまった。 「……やっぱりお前、いまだに蒼兄のこと、好きなんだ?」 桜也は、一番最初に私の蒼兄への思いに気がついた。 小学校に入学した頃だったろうか。 以来、私は他の誰にも自分の気持ちがバレないように、密かに蒼兄のことを想い続けてきた。 桜也は時々意味ありげな顔で私を見てきたりはしてたけど。 「……まぁ。」 「蒼兄がいるから、この高校を選んだの?」 「……そればっかりじゃないけど。」 「ふーん。……で、蒼兄には告るの?」 「はぁぁ??」 私は思わず大声を上げて、ハッとして身を縮こませる。 近くのテーブルの客が、チラッとこっちを見たような気がして、声を潜める。
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