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フキショノイヌ
三途の川の麓、ここでは
幼いながら死んでしまったニンゲンの子供が石積みをしている。
が、鬼たちにすぐ崩されてしまう。
「ニンゲンも鬼も、面白いこと考えるなぁ…」
と、呟くと、子供のうちの一人がこちらへ歩いてきた。
すると、他の子供たちもぞろぞろとついてくる。
「!!!犬だよ!ワンちゃん!!!!!」
はぁ、気づかれちゃった…
「わあ!」「ワンちゃん!」「もふもふ〜!!」
撫でられるのも別に嫌ではない。むしろ嬉しいし、
みんな優しいのでリラックスできる。
「はぁ、そろそろ鬼が来るよ!」「ばいばい、わんちゃん!!」
と言うと、ダッシュで河原に戻っていった。
「俺もそろそろ仕事に戻るか。」
俺は、ふきしょで働いている、働く犬なのだ。
「またねー!」
と笑顔で手を振っている子供に、優しく「わう!」と吠えると、
ふきしょへ向かって走った。
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