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カッコつけてサンダルを履いたら夕立が来た。
路面の黒い水玉はみるみる広がり、視界は白く霞む。刺さるようなぬるい雨で濡れた足が重い。
駆け込んだコンビニの軒先、傘を買う気にもならず帰ろうか迷っていると、中から出てきた人を見て声が漏れた。
「……先生」
先生と言っても、半分遊びみたいな学習支援塾で教えるボランティア女子大生だ。
傘を買ったらしい彼女のワンピースはまだらに濡れていた。
結局、先生と一緒に塾へ行くことになった。
相合傘が照れくさくて俯いた視界に、彼女の濡れた足とペディキュアが飛び込む。それはやけに色鮮やかで、艶やかで、何故か咄嗟に目を逸らした。
「持つよ。俺の方が背高いし」
落ち着かなくてひったくるように傘を持つ。
塾までの道は長くて短かった。
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