ヨルサクハナ

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ヨルサクハナ

不純物で出来た僕だから あなたを素直に抱けないの その綺麗さを濁したら 僕は悲しくなるでしょう あなたが作ったカレーを ふたりでお腹一杯食べたら 暖かくなった たわいない話をしながら ふたりでお皿を洗って コーヒーとお菓子を食べて さよなら と あなたが帰ってしまったら 眠くなって 目が覚めたらもう暗くて 僕は不純物なんだと 思い出さないように 18:45のニュースを観る 良い人と悪い人とミサイルと パンダと選挙と台風について ほんの少しだけ考えた ふと 気配を感じて振り向くと 夜咲く花が開いていて あなたにラインしようか 迷ったけど 夜咲く花は朝になれば きっと萎れてしまうから 僕だけの秘密にしておこう またあなたに 隠し事が1つ増えた 僕は不純物だってことと 夜咲く花は美しかったってこと
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