2.初恋は記憶の底に

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2.初恋は記憶の底に

高校2年の新学期が始まったばかりの教室は、ガヤガヤと騒がしかった。 元々顔見知りだったり友達同士だったりする子が多いのか、教室には既にいくつかのグループができている。 昇降口に張り出されていたクラス名簿。そこに記されていたある人の名前を見つけてドキドキしながら教室に入ってきたけれど。その人の姿は教室に見当たらない。 少しガッカリしながら、出席番号順に決められた窓際にある自分の席に座った。 新しい学校にも、新しいクラスにもそれほど期待はしていない。 クラスメイトたちとどれくらいの距離で接していくか、そればかり考えて初登校の日を迎えたけれど。 同じクラスに彼がいたことだけは、想定外だ。 まさか続けてこんな偶然が起きるとは思わなくて、椅子に腰掛けてもなんだかソワソワと落ち着かない。 かと言って、自分から積極的にクラスメイトに話しかけにいく気力は起きない。
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