2.初恋は記憶の底に

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別に同じグループだからといって特にどうということはないのだけど、星野くんはグループ内でも明らかに私だけと視線を合わさないからとても気まずい。 今週の掃除場所は教室の掃き掃除だったので、掃除箱から箒をとった私は、星野くんに近付かないようにして掃除した。 グループのみんなで一ヶ所にゴミを掃き集めると、村田さんが掃除用具入れからちり取りを出してくる。 星野くんがそのゴミを村田さんが持つちり取りに掃き入れているそばで、グループの他の子たちは持っていた箒をそれぞれ片付け始めた。 みんなが箒を片付けた頃、村田さんがちり取りに集まったゴミを捨てに行く。 ゴミ箱のゴミ袋を焼却炉まで持っていくのが私たちのグループに割り当てられた役割分担だ。 ジャンケンでもして決めるのかな、と待っていたら、先に箒を片付け終えていた野宮さんと持田さんが自分の席からカバンをとって近付いてきた。
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