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私が村田さんにゴミ捨てを押し付けたわけでもないのに。
こんなときだけ私が悪いみたいに睨んでくる星野くんに、ほんの少し憤りを感じた。
私が何したっていうのよ。
おとなしく、自分の仕事をこなしただけなのに。
余計なことはしないように気を付けてるのに。
今までは初恋の相手だった星野くんに冷たくされて悲しい気持ちしかなかったけれど、このときばかりは彼に対する怒りの感情が湧いていた。
私が何を言えばよかったっていうの?
苛ついたけれど、それをあからさまに顔には出せない。
俯いて彼らから顔をそらすと、ゴミを運んでいこうとするふたりから離れて教室を出た。
しばらくすると、星野くんと村田さんがふたりで半分ずつゴミ袋を持って、談笑しながら教室から出てきた。
反対方向に歩いていく彼らの背中をぼんやり見送ってから、私も昇降口へと向かう。
「結局、星野がトンカのこと手伝ってゴミ捨て行ったんだろうね」
「星野って、何かとトンカに甘いよね。幼稚園だか小学校だかからの幼なじみなんだっけ?」
昇降口まで来たとき、クラスの下駄箱の陰から女子たちの話し声が聞こえてきた。
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