2.初恋は記憶の底に

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「えー、それ本当?」 「どうして槙野くん?」 「さぁ?わかんないけど、村田さんと同中の愛莉が言ってたから本当だと思うよ」 野宮さんと持田さん以外の誰かが苦笑いとともに話す声がして、私はなぜかその事実に安堵していた。 村田さんって、槙野くんと付き合ってるんだ…… 槙野くんてやんちゃな男の子で、小学生の頃はよく村田さんや他の女子をからかったりしてたのに。それが今は、村田さんと付き合ってるなんて、ちょっと意外だ。 「あー。岸本 愛莉情報なら、きっと間違ってないよ。あの子、トンカとも槙野くんとも仲良いもん」 「そうだよね。でも、槙野くんと付き合ってるなんて……星野くん以上にショックだよ。私、結構タイプだったのに」 「えー、何で?私、村田さんのことはよく知らないけど、普通にまぁまぁ可愛くない?」 名前のわからない誰かが、野宮さんたちにそう問いかける。 だけど、その問いに対しての答えは強い否定の言葉とともに間髪入れずに返ってきた。 「何言ってんの。トンカなんて、ちょっと胸デカいだけでフツーだよ」
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