3.100%、修復不可能

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一瞬、ぽかんと口を開けて静止してしまった私だったけれど。 同じように箸を持つ手が止まっていたのは私だけではなかった。 グループの他のメンバーも、普通に食べ始める星野くんと村田さんのことをちょっと気まずそうに見つめている。 まるで付き合ってるみたい。 ふたりの雰囲気を見てそう思ってしまったのは、きっと私だけではないはずだ。 その証拠に、山辺くんがちょっと前のめりになりながら揶揄うように星野くんに突っ込んだ。 「なぁ。前から思ってたけど、星野と村田さんて仲良すぎじゃない?付き合ってんの?」 そう尋ねられて初めて、星野さんと村田さんの箸を持つ手が止まる。 私と同じように微妙な顔付きで黙っていた野宮さんと持田さんは、「よくぞ聞いてくれた!」というように山辺くんの言葉に頷いていた。 質問を投げかけられた当の本人たちは、お互いに不思議そうに顔を見合わせてから私たちのほうに向き直る。
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