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「付き合ってないし、特別仲良い自覚もなかったけど」
グループのメンバー全員が無言で注視するなか、星野くんが真顔で冷静にそう返す。
それに対する意見を求めるように星野くんが隣を見ると、村田さんはきょとんとした顔で小さく頷いた。
「私も特別仲良いと思ったことはなかったけど。幼稚園からの知り合いだからかなー」
ふたりの言葉に野宮さんと持田さんはどこかほっとしたような表情を浮かべ、山辺くんは納得いかなそうに眉をしかめる。
「えー、そんな仲良いのに？付き合ってないけど、実はお互い好きとかないの？」
さらにそう突っ込む山辺くんに、星野くんと村田さんはまた顔を見合わせてそれからクスクスと笑い始めた。
「え？ないよね？」
「ないない」
「けど、お互いの呼び方だって他のクラスメートとは明らかに違うじゃん」
「だから、それは幼稚園から知り合いだからだよ」
「そうそう。それに智ちゃんが付き合ってるの、俺の友達だし」
星野くんがそう言ったとき、それまで黙って聞いていた持田さんが初めて口を開いた。
「それって、隣のクラスの槙野くん？」
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