3.100%、修復不可能

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「カナキ、トンカ。あっちで遊ばね?」 「あ、憲ちゃん」 槙野くんに声をかけられて、村田さんが嬉しそうに顔を綻ばせる。 「あっちに何かあんの?」 「特には」 「特には、じゃなくて。見晴らしいいらしいよ。だからみんなで行ってみようって誘いに来たんじゃん」 星野くんの質問に槙野くんが興味なさそうに答えると、一緒に着いてきていた可愛い女の子が呆れ顔で彼を小突いた。 「そういえばさっき、野宮さんたちも誘われてたね。行ってみよう」 村田さんがにこにこしながら立ち上がると、星野くんもつられるように腰を上げる。 星野くんたちが去ってくれたら、気まずい雰囲気からは逃れられる。 そう思って少し気を緩めたとき、村田さんが私を振り向いてにっこりとした。 「友ちゃんも一緒に行かない?」 「え?」 まさか誘われるとは思わなくて、つい驚きの声が漏れる。 本気でびっくりして目を見開いていると、石塚くんたちと一緒に来た可愛い女の子が私の顔をじっと見てきた。
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