3.100%、修復不可能

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でも、村田さんだけでなく岸本さんにまで誘われて断るのは逆に失礼なのかな。 そんなふうに思ってちょっと迷っていたら、ふと視線を感じた。 それが誰のものなのかだいたい予想がつく。 視線を動かすと、やっぱり星野くんが冷たい目で私を見ていた。 星野くんは私が仲間に加わることは望まないだろうな。 そう思ったら、私の中の迷いが一気に消えた。 「ありがとう。でも、私は他に約束があるから遠慮しとくね」 この学校に編入してきてから、私の言葉で相手がどう思うかなんてどうでも良くなっていたけど。 気遣ってもらったから、相手に嫌な思いをさせない言い方を私なりに考えた。 「そっか。無理に誘っちゃってごめんね」 私が断ると、村田さんがちょっと残念そうな表情を浮かべながら謝ってきた。 村田さんに謝られるようなことでもないんだけどな。 そう思いながら、小さく首を横に振る。 「じゃあ、またあとで集合するときに」 「またね」 星野くんたち男子3人は何も言わなかったけれど、村田さんと岸本さんは最後まで私を気にかけて声をかけてくれた。
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