3.100%、修復不可能

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「友ちゃん、ひとりで先に片付けしてくれてたんだね。ごめんね、気付くのが遅くて」 お米がこびり付いた飯盒を無心で洗っていると、不意に横から声をかけられた。 なかなか取れない汚れを擦り落とすのに夢中になっていた私は、いつの間にか隣にいた村田さんに驚いた。 「今、他の子たちはゴミ捨てに行ったり火を消すのを手伝ったりしてるんだけど。何か手伝うことある?それ洗うの変わろうか?」 瞬きして驚く私の横で、村田さんが羽織っていたウィンドブレーカーの袖を捲る。 子どもの頃はふっくらしていた印象の彼女の腕は、今は色白で細くて便りなさげだ。 「ありがとう。でも、これは私がついでに洗うよ」 こびり付いた汚れを落とすには、結構力がいるのだ。 村田さんの細腕を見ながら言うと、彼女がちょっと困ったような顔をした。 「ここにある洗い終わった調理器具を返してきてもらえたら助かる、かな」 困った顔をされて困った私がもう一言そう付け加えると、村田さんはほっとしたようににっこりとした。 「わかった。他にも何かあったら言ってね」 村田さんはまだ完全には乾き切っていない調理器具を纏めて、返却場所へと歩いて行った。
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