席はうまらない

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「あのぉー」 「何?」 「もしかして、なんというか、あっくん、あ、ハツセガワアツシさんの……」 「……!まあ、そうだけど……。じゃあ、あなたが?」 「ウチも今日、あっくんに、このカフェに呼ばれて。ここ、いっすか?」 「……あ、へぇー、そうなんだ……。あ、どうぞ?」 「さーせん」  ロリータ風味の女は、ぺこりとお辞儀をしてから、向かいに座る。  しばしの、沈黙。  口火を切ったのは、いらついていた方の女だった。 「……え?あなたも、アツシに呼ばれて?」 「あー、ハイ。三人で話がしたいって、あっくんが」 「あたし、それ、聞いてないんだけど」 「えっ!?まじすか」 「あの野郎……。もう二時過ぎてんし!」 「あぁ、あっくん、時間守らないっすもんね」 「……うん。 あなた、いくつ?」 「へ?ウチ?……二十四っす」 「は!?年上!?」 「えっ、年下!?」 「いやいやいや、そのナリと喋り方で二十四とか、ちょっと、イタイでしょ」 「ハァ!?お前こそいくつだよ」 「二十二ですけど何か?」 「かわんねー、二歳しか違わねー!  つか、完全に顔がアラサー!」 「うるせえよ、おまえなんか実年齢がアラサーじゃねーか!」 「アラサーじゃねーし!  四捨五入もできねーのか見た目ババア」 「見た目ババア!?  中身ババアのがよっぽどイタイわぁ~。しかも顔ビミョーなくせに」 「それこそアンタに言われたくねーわぁー!  ナチュラルメイクとか言って男受け狙ってるんだろうけど、  それかわいい子じゃないとただのオバハンにしか見えねーから!」 「なんだと?やんのか厚化粧ババア」 「やってやろうじゃねーか、カマトトブスメイク」
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