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またある日のこと、鬼はきのこをたくさん乗せたざるを抱えながら、山から下りてきました。
それを村人の一人が見つけると、
「鬼がでたぞー、鬼がでたぞー」
と、村中に知らせました。
するの村の女たちが、色々な食べものを持って村の入り口に集まりました。
米、餅、野菜。
どれも村で作った新鮮なもので、鬼の大好きなものでした。
パクッ、ムシャ、ゴクン。
鬼は食べものを平らげると、急にお腹を押さえて苦しみ始めました。
食べものには、村の女たちが作ったお腹を下す薬が塗ってあったのです。
鬼はきのこを乗せたざるを地面に置くと、泣きながら山へ帰っていきました。
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