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勝負はつかないまま、あっという間に三時間が経った。
「あらあら、まだおやりになっているのですか」
と、S老人の息子の嫁が障子を開けて言った。
「白熱してしまってな。もう日が暮れてしまったか。良かったら晩ご飯も食べていったらどうかな」
「それは悪いですよ」
「いやいや、悪いことなんでありゃしない。用意はできるかな」
S老人の息子の嫁は、そうですね、と一瞬考えた後、つまらないものでしたら、と続けて言った。
「よし、では将棋の続きは晩ご飯の後にしよう」
S老人はそう言って、N老人をリビングに招いた。
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