お粗末様

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「Nさんからいだたきましたのよ」  S老人の息子の嫁は、N老人から受け取った風呂敷をリビングのテーブルに乗せた。 「どれ、開けてみてくれないか」  とS老人が言うと、S老人の息子の嫁は手際よく風呂敷を解いた。小さな箱が現れたので、続けて箱のふたをそっと開けた。 「あらあら、これはこれは」  箱の中には、種類は分からないが、身が綺麗にはがされた魚の骨が5つ入っていた。 「つまらないものって言っておりましたが、本当につまらないものでしたね」 「ははは。そのような粗末なものは猫にでもくれてやれ」 ◆◆◆ 完結 ◆◆◆
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