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高鳴る鼓動。期待に胸を踊らせた。今日は芸能人がお忍びで通う懐石料理料亭に来ていた。ただ今日はいつもの会食ではない。
「先輩。今日のこれは期待してくださいよ」と言い長谷川は小指を立て狡猾に笑って見せる。
「本当頼むぞ。本当この前みたいな変な女やめてくれよな」
「そんな女いましたっけ?」
「居ただろ。ほら、白いワンピース着てた子」
「あーちょっと大人しい感じの」
「一晩一緒に居たからって勘違いしてよ。最近じゃマンションの近くで見るようになってまいってんだ。お陰で女不信になっちまう」
「よく言いますよセンパイ。そんな事言って今日も結局美味しいところ全部持ってちゃうんすよねぇ」
そんな他愛もない話をしていると酒と食事が出揃った。適当に乾杯を交わしまずはお互いに空腹だった腹を満たしていく。
「ところで先輩。最近葉賀のヤツ凄く調子良いですよね」
俺は「ほぉぉ」と清まし顔を決めるが内心穏やかではなかった。
「何でも近々ゴールデンのレギュラー取れるんじゃないかって噂あるんすよ」
「えっ」と流石に反応せずにはいられなかった。
何故ならそのオファーは、俺の元にも来ていたからだ。
「それだれ情報だ」
「○Pですよ」
…………
俺の反応をみて何故か嬉しそうにしていた長谷川は俺に顔を近づけろと手招きをする。相変わらず後輩のクセに生意気な奴だと思いながらも耳を近づけた。
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