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「実は葉賀には秘密があるんですよ」
ゴクリと喉がなる。
「先輩名無し神社って知ってますか?」
名無し神社……たしか何処かで聞いた気が……
「あっ」と言うと頭の中にあの草臥れたタクシードライバーの顔が浮かんだ。
長谷川は俺の様子を見て知っていると判断したらしく話しをそのまま続けた。
「先輩も知ってると思いますがその名無し神社は願った事を叶えるとして知る人ぞ知るパワースポットなんですけど、どうやら葉賀もそこの神社に通ってるみたいなんですよね」
「それは誰から聞いたんだ」
「勿論本人ですよ。この前ロケで一緒になった時に聞いたんすよ」
嘘だと思っていた話しだがこうも接点の無い人同士から聞くと嫌でも信憑性が沸いてくる。
「行ってみたいですよねぇ……ただ……」
長谷川が頭を掻きながらこちらを申し訳ない無さそうに見ている。
「何だ。言えよ」
「そのぉ……場所だけはどうしても教えてもらえなかったんすよ。自分、余程信用されてないんすかね」
俺は「そうか」と興味無さそうな返事をして内心悪い思考を巡らせていた。
こんな気持ちではこの後楽しめないと思い俺は心を清めるつもりで焼酎をくいっと飲み干すと喉がカッと熱くなった。
その時ピロリンと長谷川のスマホが鳴る。
「どうやら来たみたいっすよー、お楽しみがッ」
二人のモデルが個室の中に入ってきた。二人共俺好みの美女だ。どうやら期待してくださいという言葉はあながち嘘じゃなかったらしい。
その後俺たちは、予約を取っていたホテルに場所を移し飲み明かした。記憶が飛ぶほどに……
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