4182人が本棚に入れています
本棚に追加
とは言え。
帰宅し、いざメッセージを送ろうとしている現在、極度に緊張している。
自室のベッドの上で、さっきから何度も何度も、伊吹さんへ送る予定のメッセージを読み直していた。
【今日はありがとうございました。久しぶりに会えて、本当に嬉しかったです。】
……シンプルで無難過ぎる程に無難な内容だけれど……変なことは書いてないよな?
本当は〝また会いたい〟と言いたいけれど……毎日多忙を極めているであろう人に対して、その文は書けなかった。
「……よしっ」
勇気を出して、送信した。もう戻れない。
……寝よう!
起きていたら、伊吹さんからの返信をソワソワしながらずっと待ってしまう気がするから。
既に風呂は済ませている。
僕は携帯を枕元に置き、部屋の電気を消して布団に潜った。
しかし、その二秒後に携帯がメッセージの受信を知らせる音を発する。
布団に潜ったばかりの僕は、飛び起きて携帯を確認した。
それは期待通り、伊吹さんからの返信だった。
【俺の方こそ、会えて嬉しかった。ありがとう。】
伊吹さんからのメッセージも至ってシンプルなものではあったけれど、こんなに早く返信をくれたこと自体を、とても嬉しく思った。
すると伊吹さんから、続けて別のメッセージが送られてきた。
「え……」
そこに書かれていたのは、
【来月頭の金曜日、空いてる? 今日はゆっくり話せなかったから、改めて二人で飯でもどう?】
という文章だった。
最初のコメントを投稿しよう!