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「あの。本当にご馳走様でした」
部屋まで上がっていく、二人きりのエレベーターの中で、伊吹さんに改めてお礼を告げる。
先程の食事は、完全にご馳走になってしまったから。
自分の分はちゃんと出そうと思ったけれど、伊吹さんがスマートに支払いを終えてしまった。
『年下は大人しく奢られてな』と言われたので、今回はお言葉に甘えることにした。
「はは。学生に半額払わせる程、セコい社長に見えるか?」
「い、いや! そういう訳じゃないよ!」
「それなら良かった。あ、着いたぞ」
エレベーターが四十階に到着した。
僕達が宿泊するらしき部屋は、エレベーターを降り、左に曲がって正面にある場所に位置していた。
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