1.再会

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「廣佳、どうかしたか?」 寝室の入り口で、ドアを開けたままぽかんとしている僕に、伊吹さんが後ろから声を掛けてくる。 「えっと……ベッドがダブルなんだけど」 「まあ、そうだな」 「あ……じゃあ僕は、あっちのソファで寝るね」 眼前に広がるダブルベッドの光景を、伊吹さんが当然の様に受け入れていることに少々驚きはしたが、まあ何にせよ、どちらかがソファで寝れば何の問題もない。 ……と思ったのだが。 「一緒にベッドで寝るに決まってるだろ」 「え⁉︎」 伊吹さんの発言に驚き、振り返った瞬間ーー杖を持っていない方の手で、肩を掴まれる。 そしてそのまま、顔を近付けられた。 キスしそうなくらいのその距離にびっくりしたけれど、肩を掴まれているから逃げられない。 「え? え?」 何が起こっているのか分からなくて戸惑っている内に、ベッドの上で押し倒されてしまった。 扉も閉まり、完全に薄暗くなった部屋のダブルベッドの上で、大の男が二人、重なり合っている。
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