森の奥の小さな店

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 ある日、私が営業する飲食店に何日かぶりの客が訪れた。  180㎝ほどの高身長、すらっとした体型、整った顔、クールな雰囲気。  そして、その男は私の友人であった。  友人は扉を強引に開けた。室内に鈍い音が響いた。 「単刀直入に言おう。お前俺の妻を殺したな?」  友人の目には怒りの感情が強く映っていた。  その目を見ても私にはなんの感情も浮かばなかった。  数分の間、沈黙が漂った。  友人の目は炎のように燃え始め、こう言った。 「お前が友人だとしても、お前は俺の妻を殺したんだ。探偵を雇って調べさせたんだ。本当に決まってるはずだ。なあ、本当のことを言ってくれよ。じゃないと俺が殺人を犯しちまうよ。今俺は本当に狂ってんだ。頼むよ」  私は死にたくはなかった。本当のことを言うしかなかった。 「分かった。言うよ」 「まず前提条件だけどお前の妻は私に、殺して欲しい、と言ってきたんだ。俺が殺してくて殺したわけじゃない」 「本当か?」 「ああ。どうせなら音声もあるけど聞くか?」 「いや、いい」  友人の目の中の炎は消えていた。 「続けるぞ。お前の妻は仕事関係でいろんなトラブルがあったらしい。私も詳しくは聞いていないが。でも一緒にいたお前なら感づいていたんじゃないか?まあとりあえずそんなことを聞かされた。それが確か2日前だった。でも、もちろん最初から殺そうとはしなかったよ。だから私の最大限の語彙力で説得した。そしたら、自分の手で首を閉めようとし始めたんだ」 「私はこの時に諦めた。彼女の言うことに従うことにした」 「そして彼女は言った」  『この毒を使った料理を作って欲しいの。それを食べて私が死ぬ。これこそ最後の晩餐。最高じゃない』 「私はすぐに料理を作った。いつものコースに毒を含ませたものだ。作って彼女が食べて死ぬまで、それは一瞬の出来事だった。そんなところだ」 「そうか」  
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