第一章

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まるで嵐が去ったようだった。 まずい事になった…。 食堂とか全然行かんし。 人が沢山集まる食堂で喋りかけられても困るし。 はぁ、そもそも、そんなにこの写真が気になるのかよ… 俺は手に持っていた写真を再び眺めた。 手に収まるくらいの1枚の写真。 それは、黒に近い青で染まっていて、少し黄色い何かが右上の端に写っていた。 江咲が言ったように、すごくブレている。 他の奴はこれを見れば、なんでそんな失敗したような写真持ってんだ、早く捨てればいいのに、そう言うだろう。 確かにそうだ。 別に綺麗な写真じゃない。 感動するような写真でもない。 それどころか、撮るのを失敗した写真だ。 だけどこの写真は、 俺にとっては、すごく意味のある写真で、忘れられない記憶が刻まれた写真なんだ。 ていうか 「この写真、お前が撮ったものだっつーの」
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