激昂の月光下

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疑問を芽生えさせていた最中、岳さんは戸から視線を外し私の顔を見てニコッと太陽みたいな笑顔で嬉しそうに言う。 「婚儀の日は必ず皆の心にずっと残るような思い出に俺がしてあげるんだ♪きっと、一生忘れない最高の贈り物をみんなにあげるの♪」 明るい笑顔でその先を見据える岳さんの脳内には、いったい何が映し出されているのだろう。なんだかとても嬉しそうだが、いつもとはどこか違う雰囲気な気がした。 「変なことしたら許しませんよ」 「心配ないよ!麗ちゃんには何もしないから!」 「には、って何ですか」 「だから、二人には贈り物あげるんだよ♪」 その時部屋の戸が開く。 戸の奥から去っていった御二人が姿を現し部屋に入る。 「おっ!帰ってきましたね!何の話だったんすか?」 岳さんがニコニコしながら高政様に問いかけると高政様は「あぁ」と短く返答する。 「麗さんの体が治り次第婚儀を執り行うそうだ」 「本当ですか?!」 岳さんの読みは当たっていた。 驚いて飛び起きそうになる私を蓮花様は「あ、こらっ!麗!」と言いながら軽く抑えて「落ち着きなさい」と忠告する。
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