激昂の月光下

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「いいのよ麗、婚儀は急ぐことじゃないし準備とかもあるからどちらにせよ、今すぐには出来ない。だから気にしないで。申し訳ないと思うなら貴方が体を治すことを最優先に考えること。それに先延ばしにすれば楽しみでいられる時間が増えるもの」 「そうだよ、僕達の婚儀の事は気にしないでいいからね。父上達もそう仰っていたから」 この人達はどこまで下っ端の私に優しくしてくれるのだろう。御二人の御優しい御言葉が何よりの薬だと思う。 「だからゆっくり休んで?」 「うんうん!麗ちゃんが元気にならないと始まらないから!」 「感謝致します」 心から礼を告げこの日から私は自分の体を治すことだけを考えたのだった。 予期せぬ導きへ続く
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