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めげずに奥へ突き進むと、一番端の部屋までたどり着いた。
そこはまるで人の目を避けるために作られた様な部屋だった。
奥まった場所にあるため、ここまで来ないと間違いなくわからない。
部屋の前でやっと姿を現した戸を開けようと手をかける。少し横に動かすとどうやら長年の老朽化のせいで動きが悪くなってしまっているようで建てつけも悪い。
滑りの悪くなったそれを力いっぱいに動かし「ガタッ…!ゴトト… 」と半ば強引に動かして、やっと自分が入れる幅まで開き、その隙間から人混みを縫うよに静かに侵入。
やっと入れたと思い一息つく暇もなく、部屋の奥を見ると、何故か部屋の一点だけが丸く切り取られたような眩い光が差していた。
反射的にそこへ目が釘付けになって見えたのは予想もしていなかった人物だった。
「お…お前はッ…!!!」
「よぉ〜…ゲホッ…ゲボッ…!!」
瞳が捉えたものは、あの日当然の出会いを成し、そして、唐突に再会して私を殺そうとした金閣だった。
「マァってたぜぇ〜…ゴボッ…」
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