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私が今、目にしている彼はあの日とは違い、元気などなく弱りきっていた。
そして何よりも違うのは彼は致命傷を負い、奥の壁にもたれ掛かって出血多量になっていたということ。大量に吐血し、話す度に血を吐く。
「金閣…貴様…!」
「まぁ…そう怒るなってぇ〜ゲボッ…!俺はもう時期息絶える…ッだろうからよぉ〜…」
「お前…一体何があった。どうして貴様がここにいる、洗いざらい話せ」
まぁ、そりゃこれだけ血を流してしまったらもう助からないだろう。
「俺だってこんなところでぇ〜…ゲボッ!死にたかなかったよぉ…」
「お前が私をここに呼んだのか」
「いんやぁ〜…?呼んでねぇ〜ぞぉ」
私は刀を金閣に向けかける手を必死で抑え金閣の前に歩み寄る。
「一体何があったか教えろ」
「話せば…長くなる…ぜぇ〜…?ゴボッ…だぁがぁ〜俺にゃぁ時間がねぇ…ゲッホ…これ見りゃわかんだろぉ?お前こそなぁんでこんなとこにいるんだよぉ…ゴボッ…」
少しずつ弱る金閣を見下ろしたまま答える
「私はここに呼ばれたんだ、てっきり貴様が呼んだのかと」
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